私たち「こまいぬ」は、長岡工業高等専門学校の有志でシニア向けスマホ教室を開催しています。「こまいぬ」とは、ITに関わる用語は難しい印象を与えるため、頼れる守り神と思ってもらえるよう、また「こころを まもる いつもの ぬくもり」をまとめた造語として名付けました。スマホ教室ではメッセージの送り方などの基本的なところを教えていますが、教室に参加した方からは「学生に教えてもらい安心感がある」「なんでも気軽に聞けて助かる」との声を頂戴しており、今までに多くの方がスマホを使いこなせるようになりました。

なぜ今、スマホ教室なのか

今日、インターネットが生活の上で必須なものとなっています。コロナ禍においては、ネットを介した連絡や手続きが増えるなど、デジタル化が一層加速しました。あらゆるものがデジタル化により便利になっていく一方で、情報格差が拡大しているのもまた現実です。特にIT機器に触れる機会がほとんどなかった高齢者への影響が大きくなっています。2025年には国民の3人に1人が高齢者になると言われてており、超高齢化社会を目の前に情報弱者となっている高齢者へのサポートが求められています。

スマホが使えることで、緊急時に必要な情報を得ることができたり、家族や友人とのつながりを持てるようになります。私たちは高齢者の方々が安心して暮らせるまちを目指して、学業と両立しながら日々活動を行っています。

代表 穂積 将輝 挨拶

長岡技術科学大学博士課程の穂積と申します。2023年よりこまいぬの代表となりました。「こまいぬ」の活動は、高齢者の危機管理と孤独化防止支援の一環として、スマートフォンの使い方を教えるこからはじまりました。若い世代はスマホもパソコンも自然に習得していますが、高齢者の多くはIT機器を利用する機会も学ぶ機会もなく、いわゆる情報格差が今の社会問題となっています。私たちは、この課題に取り組み、シニアのITの普及に寄与し、多くの高齢者から感謝の声をいただきました。これからも多くの方の役に立てたらと思います。

 シニアにスマホを教えていると、年を重ねるごとに、目が悪くなった、耳が遠くなった、という身体的な衰えや、物忘れが激しくなった、我慢が効かなくなった、という精神的な衰えについて、よく聞かされます。そんな時、地域振興局の保健師の方から、難病支援を手伝ってほしいと依頼されました。難病の方の問題を解決すれば、全てのシニアの問題は解決するんじゃないか?そう思って難病支援にも取り組むことにしました。難病に困っている人が ICT 技術によって、少しでも幸せな生活が送れるようにしたいと思っています。難病の方だけではなく、介護する人や、周りにいる人たちの負担が少しでも減り、長岡がもう少し住みやすく、豊かな町になることを願っています。